2018/01/02

学生時代に経験するべき最も重要なこと?





Ni_photoさんによる写真ACからの写真 



高校や大学時代といえば、まさに青春真っ只中であり、勉強や部活に全力投球の学生も多いことでしょう。

将来、自分は何をして生きていくかは容易には決まらず、未来に対する漠然とした不安を抱えながらも、それでも期待を持ちつつ日々を楽しく過ごしていることでしょう。

ただ、この期間を終えれば、否が応でも卒業して社会に出て行かなければなりません。

そして、社会は学生が考えているよりも厳しい世界です。


まずは就職活動でその洗礼を受け、入社後は、ときに上司や先輩からお叱りを受けたり、性格が合わない人と付き合わなければならなかったり、理不尽な出来事に巻き込まれ、頭を下げたりじっと我慢をしなければならなかったりなど、様々な辛い状況に遭遇するでしょう。

そして、仕事上の大きな責任が伸し掛かることもあるでしょう。

また、総中流社会が崩壊し、豊かでなくなった今の日本で稼ぎを得ることは、どの企業も楽ではありません。

まずはそのことを理解し、家族の生活を支えるため、社会で闘っている親御さんに感謝をするべきですが、一人前に成長することが最大の恩返しになるはずです。

そのために、社会へ出る前の準備をしておかなければなりません。

では、その準備期間に何をするべきかですが、自分の生きる道を模索する以外に、厳しい生存競争に耐えうる精神を身に付けることが肝要です。

近年、日本国内の自殺者数は2万人台の前半を推移しています。

実際は、原因不明な死因を含めると膨大な自殺者数になるようですが、公式発表の数値を用いると、毎日50人を超える方々が自ら命を絶っている計算になります。

生物は自己保存の本能、つまり自己の生命を守り発展させる欲求があり、自殺をしたくてしている人はいないはずです。

社会には、人生を諦めてしまうほどの過酷な出来事が襲い掛かります。

もちろん、学生生活でも逃げ場のない虐めなどは存在し、悩みとは他と比較できない絶対的なものですが、様々な責任が増す成人のほうが、相対的に生きるのは厳しいと思われます。

警察庁が公表する自殺情報を確認すると、未成年の比率が増えていますが、人口比で割り出せば、50代の自殺率がもっとも高い状態です。

そして、社会人となってから身に降りかかる自殺の要因となりうる出来事が、人間関係なのか、仕事関係なのか、健康関係なのか、他に関係することなのか分かりませんが、それらに対抗するには精神を強くすることです。

先天的な性格を変えることは難しいですが、精神を鍛え、危機に対する心構えを向上させることはできます。

こんなことを言うと、なにやら修行僧のようなものを想像するかもしれませんが、誰にでもできる簡単なことがあります。

もしあなたが、ずっと前から欲しがっていた高価なペンを新品で購入し、次の日使用中に落として傷を付けてしまったら、精神的に大きなショックを受けるでしょう。

しかし、数日後にまた落として傷付けてしまった場合、二回目はさほどショックを受けないはずです。

三回目になれば、まあ仕方がない、ぐらいの気持ちになっていると思われます。

要するに慣れの感覚ですが、何事も、最初の体験は精神に与える影響が大きくなります。

つまり、心が敏感な思春期に一回目の大きな精神的ショックを経験しておけば、二回目、三回目と辛い出来事に遭遇したとき、精神的ショックはさほど受けなくなる可能性が高いということです。

では、具体的な精神的ショックは何かですが、思春期において激しく心を悩ますものといえば、恋の病です。

人の一生において、思春期の恋煩いこそ、最も精神を揺さ振るものだと言っても過言ではないと思います。

つまり、恋をして、勇気を振り絞って告白し、振られることの経験です。

自ら失恋を望む人はいませんが、恋が成就してしまったならば、絶頂期に振られるのが効果的かもしれません。若いうちの失恋が致命傷になることも否定できず、あまり無責任なことは言えませんが、心が敏感な思春期の失恋は、必ずあなたの精神を強くしてくれるはずです。

また、社会人になってから精神的な痛手を負うと、日々の仕事に忙殺され、回復を図る時間があまりないかもしれません。

親の庇護の下にある学生時代であれば、責任はなくそれなりに時間があるため、傷は回復しやすいと思われます。さらに失恋を失敗と捉えると、大きな失敗から立ち直った経験は、過酷な社会に船出をしていく事前準備となるはずです。

強靭な精神は、筋肉と同じで痛みつけて回復したあとに得られるという側面があると思われ、また身体的な苦痛は精神的な苦痛に繋がるという側面もあると思われますが、仏教の開祖・釈尊が悟りを開いたのは、それまでの苦行を捨ててからであることも付け加えておきます。


学生時代には、自己の礎を築くためや、将来のためや、社会や自分を知るためなどに、学問・スポーツ・部活・旅・読書・アルバイト・好きなことや趣味などに励んだり、何かに挑戦したりと、またこれらが
自己の人格を形成していく要素ともなりますが、社会人になる前に高校生や大学生が経験すべき最も重要なことは、もしかしたら失恋かもしれません。


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